プロが徹底解説!意外と見分けがつかないトコジラミとダニの違いとは?

トコジラミとダニは、両者とも小さな昆虫や節足動物の一種であり、家庭内で問題を引き起こす可能性がある害虫です。しかし、彼らは外見や習性においていくつかの重要な違いがあります。

ここでは、トコジラミとダニの違いについて詳しく解説します。

この記事でわかること
・トコジラミとダニの刺し跡と症状の違い
・駆除方法と予防方法

目次

外観の違い

トコジラミは、成虫で約4〜5mmほどのサイズを持ち、細長い楕円形の体をしています。一般的には茶色から赤褐色をしており、平らでほんのり光沢があります。

対して、ダニは種類によって大きさや形状が異なりますが、一般的にはトコジラミよりも小さく、多くのダニは球形や楕円形をしており、無色透明なものが多いです。

トコジラミは、成虫で約4〜5mmほどのサイズを持ち、細長い楕円形の体
ダニは一般的にはトコジラミよりも小さく、多くのダニは球形や楕円形をしており、無色透明

生物学上の違い

トコジラミはカメムシの仲間で6本足の昆虫です。
吸血性の昆虫で別名、南京虫としても知られています。

一方、ダニは昆虫ではなく、クモやサソリなどの節足動物の仲間です。
家の中にいて人を刺すのはイエダニとツメダニです。

大きさの違い

トコジラミはダニと比べると大きくて、成虫になると体長5~8mmになるので完全に目視できます。ダニの場合、体長は大きくても1mm程度のため、よっぽど目を凝らさないと見えません。

好む環境の違い

トコジラミ

トコジラミは1970年代に日本ではほとんど撲滅したのですが、近年その数がまた増えてきています。

日本人の海外への渡航、海外からの観光客の来日、共に増加しているのが原因と言われています。近年、ピレスロイド系の殺虫剤が効かないスーパートコジラミも登場して多くの人を悩ませています。

トコジラミが家に入り込む原因は、旅行や出張などの宿泊先から家に持ち帰るのがほとんどです。家の中に入り込むと、主に人が寝る場所付近に潜みます。
トコジラミは夜行性で、人々が寝ている間に活動します。人間の血液を主な餌としており、寝具や家具の隙間、床のクレックなど暗く狭い場所に潜んでいます。

ダニ

一方、ダニは繁殖力が非常に高く、ハウスダストダニやノミダニなどさまざまな種類があります。

ダニは1年中活動をしていますが、湿気を好むため特に梅雨の時期になると活発になります。
その中でも、吸血するイエダニはネズミに寄生するため、宿主のネズミが死んだり、ネズミが大量発生したりするとイエダニも増えます。

ツメダニは他のダニなどを捕食するため、梅雨時期に他のダニが増えるのと同時にツメダニも増殖します。ツメダニは吸血しませんが稀に人を刺すことがあります。

ダニは、布団、枕、マットレスなどに好んで生息しています。
それらの場所は人の汗と体温によりダニが好む高温多湿な環境で、かつエサとなる皮脂やアカなどもあるからです。

刺し跡と症状の違い

トコジラミに刺されたときの症状

トコジラミに刺されたときのかゆみはアレルギー症状によるものです。
従って、かゆみの度合いは個人差が相当あります。

初めて刺された人の中には全くかゆみを感じない人もいるほどです。
ただし、アレルギー症状が出た場合は激しいかゆみをともない、その症状は通常1~2週間程度持続します。

トコジラミに刺された場合、刺された箇所に抗ヒスタミンやステロイド剤配合の薬を塗るのが効果的です。

トコジラミは肌が露出したところ刺す

トコジラミは肌が露出したところを刺します。

そのため半袖や半ズボンを履いている時は二の腕や太ももなどを刺されますが、長袖や長ズボン履いている時はそれらの箇所は刺されません。
またトコジラミは夜行性のため、刺されるのは主に夜の就寝中です。

朝起きたときに、肌を露出したところが刺されていたらトコジラミを疑いましょう。

ダニに刺されたときの症状

ダニ刺されの炎症は非常に強く、かゆみも激しいため強いステロイド剤を配合した軟膏を塗るのが一般的です。

かゆみや痛みが酷い場合、患部の腫れが広範囲に渡る場合は医療機関を受診してください。

ダニは身体の柔らかいところを刺す

ダニは(特にイエダニ)トコジラミと違い、肌の露出の有無は関係なく、肘や膝の内側、脇の下やお腹など体の柔らかい部分を刺すのが特徴です。

極端な話、服の中を刺されたらダニ、服の外、肌が露出しているところを刺されたらトコジラミと目星をつけることができます。

駆除と予防方法

トコジラミとダニでは駆除方法と予防法が違います。

トコジラミは家に持ち込まないことがほぼ全てですが、ダニの場合は家の中の環境対策で予防することが可能です。
詳しくは以下に解説します。

予防方法

トコジラミの予防法

トコジラミは外から家の中に持ち込むことで発生します。従って部屋をキレイに掃除していても、衛生的に保っていても、外から入ってくると問答無用で増殖して被害をもたらします。

トコジラミの被害を予防するには、持ち込まないことを徹底する以外ありません。

特に海外に行ったときや、国内でも外で宿泊した際は、泊まる部屋のチェックを徹底して、部屋を出るときも荷物や服にトコジラミが付着していないか確認しましょう。
「外から家に持ち込まない」これを徹底しましょう。

ダニの予防法

ダニの予防は家の中での対策が主になります。
ツメダニは畳から、イエダニはねずみから発生して家の中に入り込みます。
入り込んだダニが増える条件は3つ。

  1. 高い湿度
  2. 高い温度
  3. エサ

この3つの条件が全て揃うのが寝具。
寝具は汗による湿気、体温による温度、皮脂やアカなどのエサと3つの条件が揃うのでダニにとっては天国のような環境なのです。

洗うことが出来ないマットや枕なども外で干すか、面倒な場合は掃除機でダニとほこりなどを吸い込みましょう。

駆除方法

トコジラミの駆除方法

トコジラミを駆除するには大きく分けて3つの駆除方法があります。

  1. トコジラミ用の殺虫剤
  2. 掃除機やガムテープで捕獲
  3. 高温処理

高温処理は熱乾燥車を使うので、プロの業者に依頼しないといけないので、自分で駆除する場合は実質2つの方法です。
トコジラミに効果のある有効成分が入ったトコジラミ用の殺虫剤を使用することと、直接掃除機やガムテープなどで駆除することで、トコジラミを駆除することができます。

ダニの駆除方法

ダニを駆除するにも3つの方法を併用します。

  1. 熱と乾燥
  2. ダニ退治用燻煙剤
  3. 掃除

まずはダニの温床となる布団、マットレスやカーペットなどを熱と乾燥により、ダニを死滅させます。
具体的には、布団などはコインランドリーなどの高温乾燥機にかけること、マットレスやカーペットなどクリーニングに出すのが難しいものは外で天日干しをしてください。

ただし、ダニの卵には殺虫剤は効かないので、この作業を2週間後くらいに改めて実施する必要があります。

まとめ

トコジラミとダニは、外見や習性などにおいて違いがあるものの、どちらも家庭内での被害を引き起こす可能性がある害虫です。
早めの対処と予防策が重要であり、必要に応じて専門家のアドバイスを得ることが賢明です。

清潔な環境を保ちつつ、害虫の増殖を抑える努力をすることで、快適な生活を維持することができます。

最後に両者の違いを簡単に表にしてみます。

トコジラミダニ
生物学上の違い昆虫節足動物
大きさ5~8mm0.1~1mm
発生原因外部からの持ち込み畳やネズミなど
症状アレルギー反応によるかゆみや腫れ炎症、腫れや激しいかゆみ
予防法家に持ち込まない湿気、温度、エサ対策
駆除方法殺虫剤と捕獲高温乾燥対策と燻煙剤

トコジラミかダニの被害かわからない方は、表を参考にしてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次